#低賃金、非正規、ブラック企業

毎日新聞の大阪公立大学院野田教授の記事を参考にしました。

日本の組合は所属する企業のための組合になっているため、あまり激しくは運動できず、自分の雇用を守ることが一番大事なことなので、自分たちが賃金を上げろと言えば、会社の競争力に大きく影響力すると考え、あまり言ってこなかったというのが実態だと思います。

かつての高度成長期やバブルのころは、一生懸命働いていれば一応雇用は守られていて、賃金は上がっていた時代だった。ところが現在は一生懸命働いても、会社がいつまであるのかわからないし、給料が上がるかも分からない時代になった。そんな時代になっても以前の感覚だけが残り、会社の一員だという感覚が強く、労働者権利意識はほとんどないという時代なんでしょうね。

今年の春は大企業に比べ、中小企業はほとんど賃金は上がらなかった。大企業には組合があるが、中小企業には本当は必要なはずなのに少ないですね。大企業の経営は中小企業の低賃金に支えられているのが日本経済なんでしょう。大企業と中小企業は対等ではないから。

中小企業も利益を上げるため生産を上げなければいけないが、企業によっては人件費を削ることにより利益を上げようとするところも多いと言われ、不当な解雇につながるところも多い。その極端な例がブラック企業なんでしょう。組合のない中小企業で働く人の権利を守るためには国を挙げて従業員代表制などを進めていかなければいけない。

何やらアメリカでも本来は民主党につくべき労働者たちが、期待に応えてくれないために共和党のトランプ氏に多くついたらしいですね。日本でも立憲民主党や国民民主党などひとごとではなく、従業員代表制など労働者の権利の問題をもっと推進していかなければならないんじゃないのですか。

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#止まることのない少子化(その33)

国は「こども未来戦略方針」を決定・発表した。
柱の一つとして児童手当の拡充に1.2億円を充てるとしている。
但し、他の先進国ではこのような現金給付の効果は高くないことがわかっている。
具体的には所得制限を撤廃して高所得者も満額受け取れるようにするとかしている。
思わず、首を90度くらい傾けてしまった。

何度も繰り返しているが一番大事なことは、経済的不安から、結婚をためらったり、第1子を持つことを考えてしまう若者世代を後押しすることでしょう。所得が少なくて、結婚したくてもできない人がたくさんいるということを全く理解していないみたいですね。
経団連の会長さんでさえ、所得制限の撤廃などに対して支援拡充のメリハリが欠けていると批判されている。

ドイツでは現金給付中心の政策から転換して、親子の時間を確保して出生率を改善させた。
そういうことでしょう、誰もが望んでいるのは。もっとゆったりした安心できる社会が欲しいんですよ。政府はこういう心がない政策、選挙にばかり目が向いていることをしているから、ちっとも実を結ばない、国民から信頼を得られない事態が続いているんですよ。

日本では長時間労働の是正と、男性育休の所得促進、女性に偏る育児負担を恒久的に減らし親子の時間を確保するということが大事なんですよね。また、両親で育休を取れば給付を手取り100%に引き上げることも実現してほしいし、「子ども誰でも通園制度」の創設や在宅勤務の拡充で女性の育児負担の軽減につなげる必要がある。

大事なことは若者が安心して結婚や出産をしたいと思える社会を作ることが大事です。
首相は「若者の所得を伸ばす」と声高々に宣言しているが、選挙用でなくその具体案を示してほしい。そして『派遣制度』の撤廃も表明してほしい。


(その34に続く)

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# Z世代考

野澤和弘毎日新聞客員編集委員の記事を参考にさせていただきました。


入社3年以内に大卒の約3割、高卒の約4割が退職していると言われている。社会人としての立ち振る舞いができるようになる前に辞めてしまう、というのが「Z世代」の1つの傾向になっているという。「今の20代の社員はみんな転職サイトに登録している」というのがの社会人の常識らしいですね。

その理由は賃金、長時間労働、プライベートな時間が持てない、職場内の人間関係がうまくいかない、会社の社風が嫌だ、将来性に希望が持てないなど。特に「ちっとも働かない中高年社員が威張って社内で優遇されている。そのツケが自分たち若い社員に回るのはがまんできない」と。でもこれらはバブルが弾けた後で、理不尽な社会で耐えながら生きてきた多くの人から見たら、なかなか理解が難しいことなんでしょうが、ただバブルが弾けた後の厳しい不況時代は転職するにも全くその選択肢はなかったことにもよるでしょうね。

# Z世代 という言葉でいろいろな人が世代を評価しているのを目の当たりにする。一色単にすることはおかしいとは思うが、全体的にこういう傾向があるということだと理解している。
今のコマーショル風で言えば「Z世代ってひとくくりにしないでくださーい」となるね。
ネットを使いこなした生活が特徴的であり、社会的格差が大きくなり低賃金の非正規雇用が多い時代に生きてきたからが原因かどうかは不明ですが、経済的には保守的堅実な金銭感覚で、家や車などの所有欲があまりなく、シェアを選ぶ傾向が強いとされる。それでも音楽や動画の配信、飲食など自分の気に入ったものには出費を惜しまないと言われる。

性別、国籍、人種など多くの個性を持った人々との共生を尊重し、ある特定の価値観を押しつけられるのを嫌がるつながりを大事に思い強くは自己主張はしない。ものごとに意味を求めるのが好きで、意味が感じられないと思えば逃げることもZ世代の特徴と言われている。自分と意見が異なる相手との衝突しているストレスや時間を嫌い、そうであれば、その場から去ることも多い。会社での人間関係や働き方に疑問や不満を持ったとき、それまでの人たちとは違い、改善したり克服しようと努力することを避けてもっと良い職場を見つけようとしてしまうと批評されることが多い。

ただし今の時代でもどの職場にも言い争い、ストレス、厳しい人間関係、価値観の違いなど少なからずあると思うし、そこからエスケープだけを考えていると人間的にも成長が見えてこないし、会社愛とか信頼も感じられないのではと思われるのだが・・・。確かに高度成長もバブルも知らないで、限られたパイの中でしかも現在のような運のいい人間だけがいい目に合うような変な格差が広がれば、下の方にいる人々はますます苦しくなるまた政治を見れば年寄り議員が多く、年寄りのために都合の良い政治が行われ、若者が将来に希望が持てるような、国の仕組みを変えるような政策が行われれると感じられない現状にも辟易としているように思う。

戦後の貧しさも知らず、平和で豊かになっていく社会で育った最も恵まれた世代である人々がただ単に長く生きていろいろ経験してきたというだけで、がまんをしない今の若者にもっと苦労すべきだと言うことが本当にできるのであろうかも問われるところです。


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#止まることのない少子化(その32)

岸田総理大臣が「異次元の少子化対策」を打ち出して、所得制限の撤廃や児童手当の増額などをはじめとした政策を示したが、今世界で注目を集めてきているのがハンガリーのまさに「異次元の少子化対策」ではないだろうか。
ハンガリーは人口が1千万人弱の国であるので、1億人以上の人口と世界での位置づけから日本と比較するのは無理があるかもしれないが、日本が少子化対策に「異次元」を大上段に構えるのならそれなりの覚悟がいるだろうとの思惑です。

ハンガリーは1980年の1.91から徐々に出生率を落とし、1997年には1.3台、2010年には1.2台にまで低迷した。しかし、2010年から10年をかけて人口減少に歯止めをかけ、2021年には出生率が1.59となり1.60に迫るところまで来ている。

1980198119821983198419851986198719881989
ハンガリー1.911.881.801.751.751.851.841.821.811.82
1990199119921993199419951996199719981999
ハンガリー1.871.871.771.681.641.571.461.371.321.28
2000200120022003200420052006200720082009
ハンガリー1.321.311.301.271.281.311.341.321.351.32
2010201120122013201420152016201720182019
ハンガリー1.251.231.341.351.441.451.531.541.551.55
2020
ハンガリー1.56

オルバーン政権は、所得税を大幅に減免したり、無利子のローンを使うような大胆な少子化対策を打ち出し、GDPの5%から6%を家族政策のために使っているという。
まず、使途の縛りがない無利子ローンが特徴的だという。妻の年齢が18歳~40歳の夫婦は、国から1000万フォリント(約350万円)を無利子で借りられ、返済期間は最大20年で、最初の5年間に1人の子どもが生まれると返済が3年間猶予。第2子を出産するとさらに3年間返済猶予。しかも元本の3割が帳消しにされる。第3子を出産するとローン残高のすべてが返済免除。なんと子どもを3人産むと借金がゼロになるという。

子どもがいる母親は所得税が優遇される。4人の子どもを持つ母親は、生涯所得税を払わなくてよいという。2022年から、25歳未満の若者は男女とも、子どもがいてもいなくても、所得税が免除されるようになったという。
またさらに、満30歳の誕生日を迎える前に子どもを持った母親や、大学の学生ローンを借りている女性が妊娠した場合にも大幅減税されるという。

少子化対策の一環として、若者に手厚い経済的支援を行っているハンガリーの例は、日本にも参考になると思う。ハンガリーの家族政策担当のホルヌング・アーグネシュ次官も、インタビューで「最も重要なことは、子どもが欲しい人誰もが安心して子どもを産めるようにすること」と語っている。日本でも外国人の移民をあまり奨励をしていないことを考えると、ハンガリーのように若者支援に焦点を当てた、大胆な政策シフトが必要であうと思われる。

駐日ハンガリー大使が、日本の少子化対策について「日本は高齢者に重点を置いた経済活動をうまく進めてきていると思うが、同時に若年層や子どもたちのための『幸せな家庭』(ハッピーファミリー)経済活動も行われたらといい」というご意見を寄せられたという。

今や日本の共働き世帯は専業主婦世帯の2倍以上に膨らんで、多くの夫婦が共働きである。育休から仕事に復帰してからも、仕事と子育ての両立に苦しむ夫婦もたくさんいることが想像される。シングルマザー、シングルファーザーの家庭なら、なおさら厳しい状況に置かれているだろう。 岸田政権も異次元の少子化対策と言われるのであれば、所得制限の撤廃や児童手当の拡充を中心にするだけでなく、さらなる大胆な政策を打ち出し、社会全体で子育てを支える仕組みを作らないと効果が出てこない。

今回はハンガリー事情にお詳しいジャーナリスト大門 小百合さんの記事を参考にさせていただきました。

(その33へ続く)

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止まることのない少子化(その31)

6月を挟んで岸田総理など政府からいろいろ発表されているがジークエスト高橋祥子取締役という方が、少子化について新聞で述べられた意見を紹介したい。


欧米などの先進国は女性の労働比率が高くなると出生率が高まる傾向にあるが、日本の場合は逆に出生率が下がっている。原因としては労働時間が長いままだからという。欧米などでは女性の出生ということに配慮して、時短などを大いに取り入れようとしているが、日本ではそういうことに対して非常に遅れている。そのため育児と仕事を両立できず、キャリアを諦めるということになるのです。

日本が長時間労働を続ければ少子化の脱却はかなり難しくなる。これはおそらく国が企業を巻き込んで進めていかなければ解決しないであろう。企業から徴収している「子ども・子育て拠出金」の見直しを提案したいとされている。現状企業が負担している一律負担率を子育てに協力する度合いに応じて負担率を軽くしようとするというものだ。かなり効果が上がるし、企業の考え方も変わるのではないでしょうか。

負担率を決める指標として残業時間、男性の育休取得状況、育休を取得した女性の処遇がきちんとされているかなどの仕組み導入が必要とされる

政府からの提案などでは児童手当の所得制限の撤廃や育休中の給付率を100%に上げるというようなことは多く出てきてはいるが、上記のような社会構造の根本的な問題を解決できないと少子化問題は解決しませんね。


(その32へ続く)

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#出生率過去最低1.26

「大学生少子化シンポジウム」への誘い https://sites.google.com/view/shoushikaforum202412

2024年12月14日(土) 友達誘って来てね~

2022年の合計特殊出生率が2.26と過去最低を記録した。予想では23年(今年)に1.23で底を打ち24年から回復基調になるという。
そんな大事な時に岸田総理は昨年末に首相公邸で親族と忘年会を開き自身も写真撮影に応じていて、大騒ぎになると「公的なスペースにおいては不適切な行為はなく、問題はなかった」と発言。それならなぜ翔太郎氏を更迭するのか。

こういう大事な時に、そんな暢気な発言をされている方が、一国の大事な判断ができるのかと首をかしげる。
だいたい日本の議員は世襲が多すぎる。小さいころから甘い汁を吸ってきて、何も苦労してない人達が親の権利の跡を継いで議員になっても、庶民の生活を理解しているとはとても思えないから政治に反映されない。イギリスなどは世襲議員は5%にも満たないという。そんな甘い世襲議員が寄り添っての「少子化対策」など期待できないよね。

「#少子化」の最大の原因はみなが将来の世の中に対し不安を持っていて、従って今 『#幸福感』を持てないからであろう。過去何十年も給与が上がらず、物価はじりじりと便乗感も加わって上がっていき、更にコロナの不況感にまみれ急遽上がってきている。今も変わらず派遣をはじめとする「非正規社員」の割合は高く、また中小企業を中心としての残業時間も多く、そのために子育ても相変わらず女性負担に偏っている。

こういう根本的な問題を解決しないと「少子化」解決には絶対に繋がらないのであろう。例えば子どもを育てていく教育費だって、大企業などに努めている人はいいが、そうでない人たちには雇用の不安定さ、低賃金からくる負担が大きいということなんです。
そのために共働きをしたいと思っても、男性の育休制度が進まず共働き・共育てができないんですよ。

そういうことなんですよ。子供手当や保育設備も大事だが、まだ結婚していない若者にとってはそういう雇用問題、収入問題にきちっと国主導で解決をしていかないと、何年たっても若者の将来の不安を「希望」に変えられないんです。
今一番大事なことは、若者の将来に希望を持てる「幸福感」を感じられる世の中にすることです。

首相を筆頭に「異次元の少子化対策」と大上段に構え、いろいろ細かいことを言い出しているが、大事なこの幸福感を感じさせなければいけないということが全く抜けているような気がする。それはものごとをきちんとまじめに考えておらず、目先の選挙対策なんかを考えている世襲議員が多いからなんだと思う.

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#止まることのない少子化(その30)

「大学生少子化シンポジウム」への誘い https://sites.google.com/view/shoushikaforum202412

2024年12月14日(土) 友達誘って来てね~

6月1日に政府は新たな#少子化対策に向けた施策案の大枠を示した。
主な具体案は
*24年度中にも児童手当を拡充する。所得制限を撤廃し支給期間を高校生までに。
 第3子以降は0歳~高校生で3万円/月。

*育休給付率の引き上げ。
*出産費用の保険適用の導入検討
*こども誰でも通園制度(仮称)創設

児童手当の所得制限撤廃はよくわからないが、本当に困っている人に手当は必要と思う。
多子家庭の割合が減っているわけではないので、その優遇についても理解はしていない。
育休給付率は当然のことながら必要な施策。
出産費用の保険適用はその代わりに出産一時金をなくすことも聞いたがそれでは意味がない。

こども誰でも通園制度は、就業していない家庭のこどもは保育園に預けられないという現制度の改善になる。

具体的施策には本来一番大事な経済、若い世代の所得増に触れてはいないが、年3兆円台半ばの費用のうち「経済支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取り組みで1,5兆円~1.6兆円、共働き・共育ての推進で0,7兆円~0.8兆円」との説明があった。

経済支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取り組みや共働き・共育ての具体的推進の説明はなかったが、この一番重要な項目については、我々もしっかり監視して、かつまた協力をしていかなければならないであろう。

(その31へ続く)

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#止まることのない少子化(その29)

「大学生少子化シンポジウム」への誘い https://sites.google.com/view/shoushikaforum202412

2024年12月14日(土) 友達誘って来てね~

3月末の岸田総理大臣が発表した「異次元の少子化対策」のたたき台を見て、世の有識者の方々はできそうなことをメニューとして並べただけの印象だと口々に言う。
3月17日の総理大臣メッセージでは賃上げなどの経済問題を言っていたが今回はよく見えてこない。

たたき台には児童手当の加算など多子世帯への優遇が含まれている。まるで子どもの多い世帯の割合が減っていることが少子化の原因であるかのような錯覚を起こすよね。
実際は子どもがいる世帯で第3子、第4子がいる世帯の割合は高度成長期以来変わっていないという。ここ10年ではむしろ高まる傾向にあるのだという。一方、一人っ子世帯の割合は減っていて出産のない世帯が増えているんですよ。

問題は子どもがいる世帯の所得分布を2010年と20年で比べると高所得者側に動いていて、子どものいる世帯が高所得者層に偏在しているということです。これは明らかに所得の状況次第が子どもを持つかどうかに影響しているということになっています。所得策差の拡大を助長しかねない多子加算は少子対策として問題です。高所得者層に子どもが偏ってしまうだけの社会だ。

最も重要なのは子どもを持ちたくても持っていない人への支援であり子どもを持っている高所得者層ではないはずですよ。そのために必要なのは雇用の安定と賃金の上昇ですよね。
ドイツでは経済がよくなると間もなくして出生率が上がったというんです。

経済が回復するまでは児童手当などの給付額を増やしていき、経済・雇用環境の改善を図っていくようにすべきですね。でも大企業の賃金は14年以降少しづつ上がってきたけど、中小企業はそうはいかず、賃金格差は開いており中小企業のに賃金引き上げ策が重要ですよね。

もう一つ夫の家事関わりが重要です。女性の社会進出が言われている中で、育児・家事負担は増えている。夫の育児時間の拡大策と同時に、働いていなくても保育所を利用できるような拡大策が重要ですね。

結婚をしなくてもいいという若者が増えている反面、したくても経済的理由のため断念する人も本当に多い筈だ。これは政治家と経済界の大いなる責任であると感じる。

(日本総合研究所 藤波匠上席主任研究員の記事を参考にしています)

(その30に続く)

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#止まることのない少子化(その28)

「大学生少子化シンポジウム」への誘い https://sites.google.com/view/shoushikaforum202412

2024年12月14日(土) 友達誘って来てね~

岸田首相が「異次元の少子化対策」を大々的に掲げているが、その中に「人々の幸せ」というものがどこまで含まれているんだろう。
(拓殖大学:佐藤一麿教授のお考えを参考にいたしました)

日本においては女性が働くと幸福度が下がり、既婚女性の場合は働いている女性よりは専業主婦の方が幸福度が高く出るという。
ドイツや北欧などでは働いている女性の方が幸福度が高くなるというのに、日本では逆なのは、女性にとって働く阻害要因が大きいためだという。

男女間の賃金格差や出産後の復帰状況が女性にとって芳しいかどうか見れば、女性にとって働くことが幸福になっていないのが明らかにわかるという

日本の女性は子どもを持つことで幸福度が下がるということになる。子どもを持つこと自体が不幸ということでなく阻害要因があるからだ。例えばインドは日本より性別役割分業意識が強いといわれるが子どもを持つことで幸福度が下がるということは見られない。
日本はインドよりもかなり教育費負担が重く、日本で子どもを持つと幸福度が下がる原因も見えてくるという。

佐藤教授は「少子化対策」を子育て支援の範囲だけでやるのはやや違うといっている。
賃金や就業率のような直接的なデータだけでなく、幸福度などの指標を使うと見えてくるという。つまり結婚も出産も長期にわたる行動だから、将来にわたり安定的な雇用や所得があると確約することが結婚・出産につながる。だから雇用の安定や所得の向上を中心とした経済政策をまずやるべきだと言われている。まったくその通りであります。

佐藤教授は「異次元の少子化対策にも若者の所得を上げると書いてはいるが政権がどこまでやる気なのか読み取れない。子どもがいる世帯に現金給付したほうが有権者にアピールすると見える。少子化の原因は内閣府を中心にとても適切に分析されているのに、具体的な政策の内容とかみ合っていない」と結論付けている。まったく、まったくその通りなのです。

さらに、子どものいる世帯は全世帯のうち1986年は46.2%であったが、2021年は20.7%となった。#少子化対策は少数になってしまった人達のために負担する流れを作ろうとするものだが、これ以上子どもが減ると社会がその方向に動きにくくなる。危機は近くに迫っていると忠告している。

(その29に続く)

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#止まることのない少子化(その27)

「大学生少子化シンポジウム」への誘い https://sites.google.com/view/shoushikaforum202412

2024年12月14日(土) 友達誘って来てね~

政治家の皆さんが「異次元の少子化対策」だとか、いろいろ言っても結局その本質をとらえてないから、また一般庶民の生き方とか考え方とか生活水準など、まともに経験していなくて、理解しない上で話し合っているから、きっと実を結ばないことが予想されますよね。

一定年齢以上の人があーだの、こうだの言ったって今を生きる若い人達の気持ち、本音を解っていないならば、時間とお金の無駄となって、手遅れのまま時が過ぎていき、歴史上の汚点を残してしまうような気がしてならないね

物とか、現金とかの支給ではなくて、若い人達が本当は何を望んでいるのかは、特に26で書いたように若い女性やそれよりちょっぴり年上の女性の意見を聞けば鮮明にわかりますよね。お金とか物ではなくて、心や社会の仕組みや公平性をもっともっと広げてクリアーにしていかなければ、世の中は良くならないし、従って「少子化」だって解決しませんよ。

女性たちの意見に積極的に耳を傾けるべきですよね。
 1.昔ながらの日本独特の保育の女性への偏り。
 2.子育てと両立できる仕事を見つけることに女性は困っている。
 3.そのあとに続く1人につき何千万円という高い教育費。
 4.最近の異性との出会いの場の減少。

これらは政府が言っている出生費用の軽減、児童手当の増額を中心とする施策とはかけ離れてはいませんか。若者は何を言いたいのですか?考えていますか?本気ですか?
これらは重要ないくつかの要因に集約されていませんか?


海外に比べ、日本は男女の育児負担の均等化がなく、女性に偏りすぎている。欧米では男性が育休を取ったり、普通の休暇を取ったり、また普段の日でも子育てに従事しているという。日本は大家族制が崩れ、核家族化が進み、本来は夫婦で子育てをしなくてはいけない。
それを妨げているのが日本の会社制度。男性への十分な育休は取りづらくなっているのが現実。拘束時間も長く、逆らうと昇進などに響くようになっている。

これらは国がきちんと整備、管理すべきこと。他の人にはできません。

また、女性は子どもが生まれる前に会社を退職する人が多い。なぜならまともに産前休暇、育児休暇が取れないからです。世の中で何度か産前休暇、育児休暇をとれている女性は50%前後と発表されているが、あれはウソです。あれは出産前に退職した人を除いての数字であって、退職してなかった人の50%が休暇をとっているということです。でも実際子どもを産んでもまともに休暇を取らない人も多いというのも驚きですね。

バブルがはじけて以来、給料は上がらず、また企業に都合のいい「派遣社員制度」が世の中にはびこり、多くの若者たちが苦しんできました。いったん派遣社員になると給料が低いだけではなく、昇格、昇給にも恵まれずボーナスも退職金もないのが殆どです。当然、収入の少ない若者も多く、また結婚する機会を失ったり、結婚をしても当然共働きが前提で女性の先ほどの問題と災いが重なってくるわけです。女性側は出産でいったん離職しますが、経済的な問題からまた職を求めますが、勿論元の職に戻れずにパート、アルバイト、短時間労働など非正規社員中心に就職して給料も安いです。これが現実ですよ。

こういう状態の中で「#少子化対策」などというものを小手先手法で考えられますか?子ども一人大学まで卒業させると13百万円くらいかかります。ヨーロッパなどの諸外国とは比べようがありません。これではせいぜい子ども1人が精一杯という人が多いんでしょう。
しかも当の大学生の約半数が奨学金を借りて、社会人になってローン返済に苦しんでいる。
国が指導して学費が下げられるような政策を緊急に取ってもらいたいですね。

最近は異性との出会いの場が少なくなってきているとよく耳にする。ONLINEを使った出会いの場がもてはやされたりしてますが、それでうまく相手が見つかればいいが、トラブル、事件も数多く発生はしている。
かつてのまだ週休二日でなかった(日曜だけ休日だった)ころに比べ、各企業の社内結婚が減少したと聞きます。原因はウイークディは男性と女性の帰宅時間が全く違ったが、土曜日は半ドンで帰るため、みんなで飲みに行ったりできたので交流の場があったと聞きます。但しこれも企業での残業時間の短縮意識があれば平日業後に交流するというように改善できるのではないかと思うが。

女性が産前、産後にきちんと休暇を取れ、会社を辞めなくて済むよう、また男性の育児休暇も形だけでなくきちんと制度化、実行化を企業が取るように政府が厳しく進め罰則制度とする。
また「派遣社員制度」を禁止する。本人が派遣の働き方を望む場合もあるので、その場合は国の「許可制」とする必要がある。
また各企業の毎年の賃上げ状況を報告させ、不芳先は厳しく指導、報告させる。
さらに各企業の休暇取得状況、残業時間状況についても管理、罰則規定、検査を厳しくする。

「#異次元の少子化対策」というのは物とか、現金とかの支給、増額だけではなくて、今一番大事な上記のようなことの制度や仕組みを変えたり、企業に強く働きかけて指導・改善していくことではないのでしょうか。本質をしっかり見つめてください。そのための国家、政府なのですから。

(その28に続く)



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