前の回で少子化の原因となっている大きな3つの柱ということを言いました。
2つ目の若い人や家庭を持っている人でも給料は一向に上がっていないということも話しましたよね。日本の平均年収は極端に言えば、この30年間一向に上がっていないんです。非正規社員の減り方も鈍いですね。さらに最近国民は円安、物価高を受けながらも支払いの方は徐々に膨らんでいくという益々窮地に追い込まれるような感じですよね。
それと3番目に触れた子供の教育費の問題。今のままだと子どもが1人であっても大変な費用になります。こういうこともきちんと国の政策として考えていかなければいけませんよね。
前に日本の子ども達が生まれてくる人数が毎年毎年減ってきていると言いましたね。これが大変重要な問題なんですよ。
子どもが1人のお母さんから1年間に生まれてくる人数を現わす数字で合計特殊出生率というものがあります。聞いたことがあると思います。お父さんやお母さんの人数が変わらなければ、出生率が大きい国は1年間にたくさんの子どもが生まれてくる国で、出生率が小さければ子どもが生まれてくる数が少ないということです。お父さんとお母さんで2人です。ただ男性の人数が女性よりもやや多いので、子供が増えも、減ったりもしない国の出生率が2.07くらいになります。日本の2021年の出生率は1.30です。すごく小さな数字です。
アフリカとかラテンアメリカとか南アジアの国々はこの出生率が高い国々です。先進国と言われている国は出生率はあまり高くなくて、だいたい2.0を割っています。あのフランスでも1.9でスウエーデンはアメリカと並んで1.7です。ヨーロッパの国々は日本よりは高いですが比較的日本に近い位置にいます。ではなぜヨーロッパではそれほど問題になっていないのに、日本では「少子化、少子化」と問題になっているのですかね?