#止まることのない少子化(その21)

少子化に対する街の声を聴いて感じる自分自身の本音はこういうことかな。

きっと、ずっと前の昭和の中頃までは、世の中で言われるように「子供を産み育てること」は「何とかなる」時代であったのだと思う。それは家、またはすぐそばに親、兄弟や親せきなどがいて、色々助けてくれた時代であった。育児に対してもそうであり、金銭的にもあまり不安を感じなくて、結婚して子どもを育てることが当たり前であった。 

それから3~40年経った後に生まれた子供たちが育ってきた時代には様相がだいぶ変わってきていたと思う。核家族が一気に進み、結婚すると家を出て周りの親族に頼る時代ではなくなり、一つの家庭として、夫婦だけで子供を育て生計を立てることが当たり前の時代になった。

つまりは今適齢期にある、またはその少し前の人たちが子供から成人になる過程は、親の収入だけが生活の糧であったので、父親が大企業勤務、経営者などでそれなりの収入があればいいが、平成のバブルの崩壊などで、多くの人が不況の中で収入に恵まれなかったり失業したり、また母親は子育てのために共働きができず、家庭収入が少なく、苦しい時代であったと思う。

そういうことが原因で親が離婚をしてシングルになったケースも多く、そのころの子供たちはかなりしんどい思いをして、親が自分たちを育ててくれたということを身に染みて育ってきたのであろう。

そういう育ち方をした多くの人が自分をのことを振り返り、いま付き合っている人がいても、あるいは同棲している人がいても結婚をして、子供を作るということになかなか踏み切れない人があまりにも多くいるのではないかと想像する。そういう時代に不安を感じ、またそもそも将来に希望を感じていないと、相手すら見つからず、恋人すらいないという人も多いと思う。

何かのコラムかなんかに書いてあったように今の人たちに対して、結婚をしてからの育児手当とか、育休優遇の話をいくらしても少子化は解決するとは思えない。お金がなくて結婚しても苦労するだけであって、結婚に希望を持っている人が少ない。非正規社員が多い日本の制度を変え、若い人たちが収入が増えるような本当の意味で経済的に豊かになり、皆が助け合って子どもを育てるような社会環境になるよう根本的な改革をしないと少子化は解決しないと思う。

つまりは思い切って、派遣社員制度を禁止するとか、地方再生で人の移動も重要であると思うので企業に対し大都市集中ではなくて、地方分散も進め、該当企業に対しては税の優遇、国からの補助制度を設けるなども考えて、政府主導で積極的に各地で魅力ある街づくりを進め、人口の大移動も進めていく必要があるのではないかと思う。

(その22に続く)

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